中国市場では外国資本の引き揚げと人民元下落が発生しているが、これについて、資本流出と通貨安の悪循環が見られた2015年になぞらえる声が起きている。中国政府はすでに国民や企業による資本流出で使われていた抜け穴の多くについて対応しており、不安定な状況をもたらす規模の資本引き揚げが続くとは考えにくい。ただし外国人投資家らは長年にわたり、人民元建ての株式や債券を大量に買っていたことから、一部の市場参加者らは、こうした外国資本の流入が枯渇し、これが資産価格や通貨に対する下げ圧力となる可能性について検討している。中国の複数の清算・決済サービス企業のデータによれば、同国の債券市場では4月に3カ月連続となる大幅な資本流出が見られた。ここ3カ月間で外国人投資家の保有額は約450億3000万ドル(約5兆7500億円)に相当する3014億元ほど減少した。