ジョー・バイデン米大統領は決断しなければならない。ジミー・カーターのような大統領として記憶されたいのか、それともハリー・トルーマンのような大統領としてか。トルーマン、カーター、バイデンの各氏はそれぞれトラウマを抱えた国を安心させたいと願って就任したが、予期せぬ展開により計画は頓挫した。トルーマン氏やカーター氏と同様、バイデン氏もインフレに苦しんでいる。3人はいずれも、穏健な中道派の伝統を批判する勢力によって左派に傾いた民主党を結束させるのに苦心した。バイデン氏が国際情勢に後れを取らないよう努めてきたように、トルーマン氏とカーター氏は劇的な変化を受けて、世界における米国の立ち位置を評価し直すことを余儀なくされた。バイデン氏は米国のアフガニスタンからの無秩序な撤退により、その能力が疑問視された。世界のエネルギー生産者は価格を押し上げている。バイデン氏がイランと核合意を結ぶかどうかにかかわらず、批評家は対外関与の縮小を望む政権の思惑が中東の現実にぶつかったと主張するだろう。米国の南部国境の光景は統制が失われたことを示している。ウクライナは今後数カ月間、もしかすると数年間、血に染まり荒廃した戦場であり続けるだろう。