CO2排出量については、低排出量のメニューは緑、中排出量は黄色、高排出量は赤でラベル付けした。例えば、CO2排出量が2~3kgと見積もられるサラダが添えられた牛肉料理は赤、反対にCO2排出量がわずか130g程度と見込まれるビーガンスパゲッティーディッシュは緑だった。

 検討の結果、価格とともにCO2排出量がラベル付けされたメニューが提示された場合、人々の選択するメニューのCO2排出量が310g減少することが明らかになった。また、1皿当たりのCO2排出量が平均200gほど少ないメニューが選択される傾向が認められた。

 この結果についてSeger氏は、「実際のレストランでは、視覚や香り、同席する人などの影響を受ける可能性はある。しかし、得られた結果は明快であり、非常に有望」と述べている。また、「多くの人が、楽しい食事の時間を過ごすときにも、地球温暖化の危機に配慮する意思のあることが示された。これはレストランにとって商機とも言え、メニュー再編の考慮に値することだ」としている。

 今回の研究報告に対して、米テキサス大学サウスウェスタン・メディカル・センターのLona Sandon氏は、「このような取り組みは、さまざまな変化をもたらす可能性がある。一部のレストランにとっては、確かに素晴らしいマーケティングツールになり得る。ただし、レストラン利用客の中には、CO2排出量を参考にする人もいるだろうが、カロリー表示を気にしない人がいるように、全く無視する人もいるだろう」と評している。

 またSandon氏は、「メニューごとのCO2排出量をどれだけ正確に見積もれるのかという問題もある」とする。つまり、単に生産に伴うCO2排出だけではなく、流通のための梱包や輸送、保冷、あるいは調理時の加工などの全ての過程で発生するCO2を、メニューごとに把握するのは難しいということだ。加えて、「レストランメニューの再編のみでなく、廃棄物を減らす努力も必要ではないか」と同氏は指摘。さらに、利用客にも、自動車ではなく徒歩でレストランに行くこと、過剰な注文をしないこと、食べ残しは持ち帰ることなどを呼び掛けている。(HealthDay News 2022年5月12日)

https://consumer.healthday.com/5-12-are-climate-friendly-options-on-restaurant-menus-coming-soon-2657269221.html

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