スタンフォード大学・オンラインハイスクールはオンラインにもかかわらず、全米トップ10の常連で、2020年は全米の大学進学校1位となった。
世界最高峰の中1から高3の天才児、計900人（30ヵ国）がリアルタイムのオンラインセミナーで学んでいる。そのトップがオンライン教育の世界的リーダーでもある星友啓校長だ。全米トップ校の白熱授業を再現。予測不可能な時代に、シリコンバレーの中心でエリートたちが密かに学ぶ最高の生存戦略を初公開した、星校長の処女作『スタンフォード式生き抜く力』が話題となり、ロングセラーとなっている。
ベストセラー作家で“日本一のマーケッター（マーケティングの世界的権威・ECHO賞国際審査員）”と評された神田昌典氏も、
「現代版『武士道』というべき本。新しい時代に必要な教育が日本人によって示されたと記憶される本になる」
と語った本書の要点と本に掲載できなかった最新情報をコンパクトに解説する本連載。
6/18に「情報7daysニュースキャスター」出演で話題の著者が、「脳を活性化する効果絶大エクササイズ」をお届けする。
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視点の転換力とは？
星 友啓（Tomohiro Hoshi）スタンフォード大学・オンラインハイスクール校長
経営者、教育者、論理学者
1977年生まれ。スタンフォード大学哲学博士。東京大学文学部思想文化学科哲学専修課程卒業。教育テクノロジーとオンライン教育の世界的リーダーとして活躍。コロナ禍でリモート化が急務の世界の教育界で、のべ50ヵ国・2万人以上の教育者を支援。スタンフォード大学のリーダーの一員として、同大学のオンライン化も牽引した。スタンフォード大学哲学部で博士号取得後、講師を経て同大学内にオンラインハイスクールを立ち上げるプロジェクトに参加。オンラインにもかかわらず、同校を近年全米トップ10の常連に、2020年には全米の大学進学校1位にまで押し上げる。世界30ヵ国、全米48州から900人の天才児たちを集め、世界屈指の大学から選りすぐりの学術・教育のエキスパートが100人体制でサポート。設立15年目。反転授業を取り入れ、世界トップのクオリティ教育を実現させたことで、アメリカのみならず世界の教育界で大きな注目を集める。本書が初の著書。
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アメリカにいると、日本の情勢が客観的によく見えるものです。
日本では、0から1を生むイノベーション力の必要性が叫ばれていますが、日本から圧倒的なイノベーション力のある人がなかなか出ないと聞きます。
イノベーション力をつけるときに大切なのが、視点の転換力です。
視点の転換力とは、現在の自分視点をいったん転換して他者視点で考えてみたり、新視点に立って物事を見直したりする力です。
視点の転換力は、相手を理解したり、新知識を身につけたりするときに非常に重要です。
さらに、クリエィティブに考えたり、うまく交渉をしたり［1］、周りと協力したりする［2］ときに非常に役立つ能力ということが徐々に明らかにされてきました。
それだけ重要な能力のため、最近では脳科学でも、視点の転換力のメカニズムに関する研究も進んできました。
メンタライジング・ネットワークと
デフォルト・モード・ネットワーク
視点の転換を行うときには、メンタライジング・ネットワーク（mentalizing network）と、デフォルト・モード・ネットワーク（default mode network）の2つの脳の機能が活躍します。
メンタライジング・ネットワークは、相手の行動からその背景にある複雑な感情や考えを理解したり、また逆に、相手の気持ちから行動を予測したりする際に活躍します。［3］
また、デフォルト・モード・ネットワークは、仕事や勉強の集中状態から、ホッと一息ついてボーッとしたり、あれこれ想像したりする際に活性化している脳の機能です。
注目すべきは、デフォルト・モード・ネットワークは、従来の考えの枠組みを飛び越え、クリエイティブなアイデアを生み出すときに力を発揮することがわかってきました。
人の目線や新しい視点に立つためには、まさにこうした脳の役割が必要なのです。
