ライバルを圧倒する速さと
スポーティーな走り

駆動用リチウムイオンバッテリーの総電力量は78kWh(4WD仕様)で、航続距離は約485kmとなる。150kW急速充電器なら、約40分で(0%から)80%までの充電が可能という駆動用リチウムイオンバッテリーの総電力量は78kWh(4WD仕様)で、航続距離は約485kmとなる。150kW急速充電器なら、約40分で(0%から)80%までの充電が可能という

 今回の試乗車は、バッテリー容量78kWhで、フロントとリアアクスルそれぞれに計2基のモーターを搭載。最高出力408psで最大トルクは660Nm、一充電走行可能距離は485kmの「ツイン」というモデルだった。ちなみに3月にバッテリー容量69kWh、シングルモーターでフロント駆動のエントリーグレード「プラスシングルモーター」が追加されており、それを機にツインモーター仕様は「アルティメット ツインモーター」へと名称変更されている。

 エクステリアでは、エンジン冷却の必要がないことからグリルのない顔つきがBEVの特徴となっている。これには空気抵抗の低減効果もあって、さらにルーフとテールゲートの2箇所にスポイラーを備えたことで、航続距離を最大4%延長している。

インテリアデザインはコンパクトSUVのXC40と基本同様。エネルギー効率の高い、ヒートポンプ式の暖房も備わるインテリアデザインはコンパクトSUVのXC40と基本同様。エネルギー効率の高い、ヒートポンプ式の暖房も備わる

 インテリアのデザインは基本的にはXC40をベースとしたもの。ただし、従来のモデルと大きな違いがあって本革を使用していない最初のボルボ車になるという。いま自動車各社はサステナブルな取り組みとして、内装への本革の使用量を減らし、リサイクル材を用いたりしているが、ボルボもいち早くその取り組みを行っている。

ブランド初のレザーフリーインテリアを採用した。ちなみに今後登場するボルボの電気自動車すべてがレザーフリーとなるというブランド初のレザーフリーインテリアを採用した。ちなみに今後登場するボルボの電気自動車すべてがレザーフリーとなるという

 手縫いのステアリングの表皮も本革のように見えるが、合成素材が用いられている。実際に手で握ってみても言われなければそうとは気づかない。またスウェーデンのアビスコ国立公園の山々の地形図にインスパイアされた加飾パネルを用いるなど、しっかりとスカンジナビアンデザインが取り込まれている。

 運転席まわりを見渡してもスタート/ストップボタンはない。ドライバーがキーをもっていれば、ドアを開け、運転席に座り、ブレーキを踏んでギアをシフトすれば走りだす。停止して、パーキングに入れてクルマを離れればシステムは自動的にシャットダウンする。何度か乗り降りを繰り返していたら、すぐに違和感はなくなった。

 足元には電動車用に開発されたタイヤ、ピレリPゼロエレクトを装着していたが、20インチという大径サイズをしっかりと履きこなしており、乗り心地も良好だった。ボルボ車としては異例の前後異サイズのタイヤを装着し、前後重量バランス50:50ということもあってハンドリングもいい。回生ブレーキレベルはワンペダルのオンオフ切り替えが可能。オフであれば、アクセルペダルをオフにするとコースティングし、発進時にブレーキペダルから足をはなすとゆっくりと動き出すクリープが発生する。オンの場合、クリープは発生しないが、市街地では回生ブレーキが強くきくワンペダルのほうが走りやすい。