ロマネスク様式の建築物が見どころ

歴史を感じる町の散策が楽しい歴史を感じる町の散策が楽しい

 イベリア半島は北部の一部を除き、711年にイスラム勢力の支配下になり、その後800年近くかけて北から順にレコンキスタ(国土回復運動)が進んでいきました。北にあるソリアがキリスト教徒に奪回された時期は早く、そのためロマネスク様式の建築物が残っています。ロマネスクは10世紀末から12世紀の時代の様式なので、それ以降にレコンキスタされた南部では目にすることはありません。ロマネスク様式の建物や重厚な昔の建物が残る町は、私が住むバレンシアがある東海岸とは異なる空気を漂わせていて、“旅に来ている”感が盛り上がりました。

 2日間の短いソリア市内滞在中はトリュフ農園見学に行ったり、国際トリュフ料理コンテストを見に行ったため、名所巡りに割く時間はあまりなかったのですが、いくつか目にしたところをご紹介します。

郊外には日本の平安時代に建てられた聖堂も

何もない山の中にぽつんと佇むサン・バウデリオ聖堂山の中腹にぽつんと佇むサン・バウデリオ聖堂

 山の中腹に突如現れたこの建物は、サン・バウデリオ聖堂です。なんと、この聖堂はロマネスク様式より前のモサラベ様式(イスラム支配下でのキリスト教の芸術)で、11世紀の建築!!  日本では平安時代です。中の装飾画は12世紀のものだそうで、まだ保存されていることに驚きました。

聖堂内には12世紀の彩色が今も残っている聖堂内には12世紀の彩色が今も残っている

 ソリアの市街から少々離れたドゥエロ川沿いには、6世紀の聖人でソリア市の守護聖人であるサトゥリオが住んでいたという伝説を持つ洞窟があります。16世紀にそのすぐ上にサン・サトゥリオ聖堂が建てられました(現在の建物は17世紀の建造)。聖堂内の聖人の生涯が描かれたフレスコ画が見ものです。見学する際は、ぜひ洞窟も訪れてみてくださいね。

こんな場所に建てるのはさぞ大変だったことでしょうこんな場所に建てるのはさぞ大変だったことでしょう