コロナ禍が落ち着き始めたことで、市況も少しずつ回復しつつある。しかしビジネス界では、コロナショックから立ち直った企業と不調から抜け出せない企業とで明暗が分かれている。そこで、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回は日本電産、村田製作所などの「電子部品」業界5社について解説する。(ダイヤモンド編集部 濵口翔太郎)
永守CEO再登板の日本電産は
前年同期比2ケタ増収
企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下の電子部品業界5社。対象期間は2022年1~3月の四半期としている。
各社の増収率は以下の通りだった。
・日本電産
増収率:18.0%(四半期の売上高5110億円)
・村田製作所
増収率:5.7%(四半期の売上高4331億円)
・京セラ
増収率:13.3%(四半期の売上高4833億円)
・TDK
増収率:29.6%(四半期の売上高5083億円)
・日東電工
増収率:6.2%(四半期の売上収益2072億円)
電子部品業界では、主要5社全てが前年同期比で増収となっている。中でも、日本電産、京セラ、TDKは2ケタ増収と好調だ。
だが日本電産は22年4月に衝撃の人事を発表した。前年6月にCEO(最高経営責任者)に就いたばかりの関潤氏が1年足らずでCOO(最高執行責任者)に降格し、創業者の永守重信氏がCEOに復帰したと発表したのだ。
一見すると好調な日本電産に潜む“落とし穴”とは何か。次ページ以降では、電子部品業界5社の増収率の時系列推移と併せて、詳しく解説する。