構造分類はダジャレを記号や
数学として捉えるための根幹

 連載も20回を超えまして、ここまで読んで来ていただいた方々ならもうかなりダジャレの構造について造詣を深めていただいたことと思います。であれば、今回は少しレベルを上げたところで知的好奇心を満たしていただきたく、連載第4回でさらりと紹介した「石黒式ダジャレ構造分類<15種>」について詳しく述べていきます。これは、ダジャレを記号として、数学として捉えるための根幹を成すものと考えています。

 ちなみに第4回を書いた時も14種類でしたが、今回執筆にあたり検証した結果、細分化したもの、統合したものなど増減ありましたが、数は同じ14種類となりました。

 構造解析はとても面白いのですが、実際にダジャレを思いつくときにこんな面倒な思考回路経由でダジャレを思いつくわけありません。体感的にはあくまでインスピレーションで浮かんでくるというケースが大部分でしょう。でも実は、誰だって脳内には、ある一定の構造パターンがインプットされているはずで、その自分に備わった公式に沿って、目的語と加工語を組み合わせることでダジャレを完成させるわけです。

 ということはつまり、生成パターンはたくさん仕入れているほうが、同じ素材語を目にし、耳にしたときに発想が広がります。そのために、以下の14種類を把握しておくことは、大変有効です。といってもがむしゃらにやらなくてもオッケーです。ざっと理解するだけで全然違ってくるはずなので、肩の力を抜いて、実例の語句に照らしながら読んでみてください。

 なお、ダジャレ実例は、構造把握へのわかりやすさ重視で、面白さにはこだわらずいってみますね。