「給料を自主的に半分カットせよ」中国の賃下げラッシュ驚きの実態写真はイメージです Photo:PIXTA

中国の公務員が減給にあえぐ
厳しい財政が続く中国

 6月に入って、上海でおよそ2カ月間続いたロックダウンも、実質的に解除された。

 道路にはようやく車が出てきて、公園や緑地でお弁当などを食べる人の光景も再び見られるようになった。しかし、市民の気持ちはまだ梅雨時の空模様のようで、晴れやかさはない。

 そんな中、公務員の減給状況が書かれた投稿が突然、中国国内のSNSで拡散された。その内容は、「上海市の公務員で、処長級の年俸は、35万元(約698万円)から約20万元(約399万円)」とか「北京や天津などの大都市では20%近く給与がカットされた上に、さまざまな手当も廃止された」「全国で最も裕福といわれる浙江省、広東省の公務員所得も約25%カット」など具体的な内容だった。

 公務員の減給実態についての中国政府側の公式報道はないので、投稿内容の真偽は定かではない。インターネットに流れたこうした投稿は削除されてしまったが、中国政府はその内容について否定してはいない。数字の正確さはさておき、どうやら都合の悪い事実としては確かに存在しているのではないか。

 このような中国各地の「賃下げラッシュ」の情報が出てくる背景には、地方政府の台所事情がある。地方政府が財政支出の負担を軽減するため、成果給を一部カットするなどの減給措置の実施に踏み切ったのだ。