中小企業同士のM&Aでトラブルが頻発していることを受けて、会社を売りたいオーナー経営者と買い手企業の間に立ってM&Aの成立を支援する、M&A仲介会社の存在に注目が集まっています。そこで、業界の内情に迫った特集『沸騰!M&A仲介 カネと罠』を再配信します。(記事初出時:2022年2月8日 ※記事内容は初出時のまま)
M&A仲介業界は今、最も稼げる業界といわれる。年収ナンバーワン企業としてその名が知れ渡るようになったM&Aキャピタルパートナーズの高年収の仕組み、さらに「月収2000万円」という、急成長中の中堅M&A仲介会社の例を紹介。特集『沸騰!M&A仲介 カネと罠』(全15回)の#3では、M&A仲介業界の給与の実態に迫る。(ダイヤモンド編集部 片田江康男)
年収ランキング上位に
M&A仲介業界“御三家”
最も稼げる業界――。M&A仲介業界には、この数年でそんなイメージが定着した。
下表は、上場企業の有価証券報告書に記載された平均年間給与を基に作成した「年収が高い会社ランキング2021」だ。M&A仲介最大手の日本M&AセンターとM&Aキャピタルパートナーズ、ストライクの“御三家”は、トップ25にそろってランクインしている。
中でもM&Aキャピタルパートナーズは、高給取りの代名詞である総合商社やテレビ局、大手広告代理店を抑えて、堂々のナンバーワンである。
しかも、平均年齢は31.4歳と若く、2位のキーエンスを518万円も引き離している。ちなみに2021年9月期のM&Aキャピタルパートナーズの平均年間給与はさらに増え、2688.4万円に達している。
年収2600万円を稼ぐビジネスパーソンは、一般の上場企業なら最低でも事業部長や執行役員以上だろう。そんな額が、全従業員の平均年収だというM&Aキャピタルパートナーズの給与体系は、一体どうなっているのか。
次ページで、上場企業平均給与ナンバーワン企業、M&Aキャピタルパートナーズの給与体系を詳しく解説していく。