相場が不安定なときにも耐えられるように、ポートフォリオには下値リスクが小さい増配株や割安株も組み入れておきたい。特集『円安・金利高・インフレで明暗くっきり! 株価・給料・再編 5年後の業界地図』(全24回)の#23では、アナリストの業績予想に複数のスクリーニング条件も追加して、5年後の「割安株」と「高配当株」を選抜した。(ダイヤモンド編集部 篭島裕亮)
PERが低くて利益も伸ばす
攻めも守りも強い企業を探す
「あのテック企業が赤字から大復活?」「金融大手は割安&高利回り株の宝庫?」――。
#20の「成長株」に続き、#23では5期先のアナリスト予想がある約500社を対象に、「5期先利益に対して割安な株」と「5期先の高配当株」の各上位60銘柄を発表する。
「割安な株」は、5期先利益で算出した予想PER(株価収益率)が低い順で並べた。日経平均株価のPERが13倍程度なのに対して、60位までは5期先PERは6倍台以下。割安感は極めて強いといっていいだろう。
ランキング作成に当たっては、今期の利益に対して5期先の利益が減少した企業は省いた。なぜならば、減益の場合はPERが低くても割安とは必ずしもいえないからだ。
大事なのはPERと増益率のバランスであり、狙うべきなのはPERが低いのに成長率が高い企業である。今期予想比の5期先の当期利益伸び率も掲載したので参考にしてほしい。
注目は割安な株の3位に登場したテック企業だ。毀誉褒貶が激しいグループだが、市場予想通りの展開となれば株価の劇的な復活もあるかもしれない。
5期先の高配当株については、5期先の1株配当で算出した配当利回りが高い順に並べた。こちらも5期先の当期利益や配当が減る予想の企業は省いた。26位までは配当利回り6%超となっている。
次ページでは5期先利益に対して割安な株、5期先の高配当株の各上位60社を紹介。業績が大きく崩れない限り、割安株や高配当株は下値不安が小さい。
「利益の増加」を条件にしているので、攻めにも守りにも強い銘柄候補ともいえる。両ランキングには業績好調な損保大手やメガバンクも登場するので、ぜひチェックしてほしい。