ドル高の進行を受けて、米企業の間では為替のヘッジ戦略を見直す動きが広がっている。ドルの値上がりは海外利益の価値を目減りさせるほか、米国製品の国際的な競争力をそぐため、企業は利益率を維持するためにコスト削減の手だてを探っている。ドルは足元、他の主要通貨に対して大きく値上がりしている。世界経済の減速を受けて、安全資産とされるドルにマネーが流入しているためだ。また米連邦準備制度理事会(FRB)による利上げなど金融引き締めもドルの追い風となっている。主要16通貨のバスケットに対するドルの価値を示すウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)ドル指数は、1年前の時点から12%余り、年初来では約8%上昇している。ドル高はS&P500種指数構成企業にとっては頭痛の種だ。多くは海外で売上高の大部分(平均で約30%)を稼いでおり、米国で連結決算として計上するためだ。