東芝Photo:Anadolu Agency/gettyimages

コロナ禍が落ち着き始めたことで、市況も少しずつ回復しつつある。しかしビジネス界では、コロナショックから立ち直った企業と不調から抜け出せない企業とで明暗が分かれている。そこで、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回は日立製作所や東芝などの「産業用装置・システム/業務用機器」業界5社について解説する。(ダイヤモンド編集部 笠原里穂)

東芝・日立・三菱重工…
いずれも前年同期比増収

 企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下の産業用装置・システム/業務用機器業界5社。対象期間は22年1~3月期としている。

 各社の増収率は以下の通りだった。

・ダイキン工業
 増収率:23.9%(四半期の売上高8072億円)
・日立製作所
 増収率:6.1%(四半期の売上収益2兆9179億円)
・東芝
 増収率:2.8%(四半期の売上高9819億円)
・三菱電機
 増収率:3.6%(四半期の売上高1兆2955億円)
・三菱重工業
 増収率:10.8%(四半期の売上収益1兆2149億円)

※ダイキン工業は収益認識に関する会計方針の変更を行っているが、当社の開示方法に準じて、前年同期の売上高と増収率には同変更を遡及適応していない。

 いずれも前年同期比で増収となった産業用装置・システム/業務用機器の主要5社。中でも、ダイキン工業は前年同期比で2割超の大幅増収となっている。この要因は何だったのか。また、6月28日に定時株主総会を実施する東芝の現在地は。

 次ページ以降では、各社の増収率の推移を紹介するとともに詳しく解説する。