海外旅行ガイドブックの決定版『地球の歩き方』から、今回紹介する記事は、「是枝監督『ベイビー・ブローカー』の仏カンヌ受賞レポート」です。是枝裕和監督の韓国映画『ベイビー・ブローカー』が6月24日(金)から全国で公開されています。今年2022年の第75回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に出品された作品です。主演のソン・ガンホさんが男優賞、映画もエキュメニカル審査員賞を受賞し、大きく報じられました。カンヌ国際映画祭期間中に、是枝監督への取材などを通して感じた現地の様子を紹介します。(地球の歩き方 パリ特派員 守隨亨延)
カンヌ市内で目を引いた韓国映画の存在感
コロナ禍で中断や時期をずらしての開催を行ってきたカンヌ国際映画祭が、2022年はいつも通りの5月開催に戻り、昨年のような厳しい感染対策も解除されました。再び輝きを取り戻りしたカンヌの町で、会場近くのメインストリート、クロワゼット大通りにふたつの巨大な韓国映画を宣伝した垂れ幕が掲げられていました。ひとつがパク・チャヌク監督の『別れる決心』、もうひとつが是枝監督の『ベイビー・ブローカー』。どちらも今年のカンヌ国際映画祭のコンペティション部門に出品された作品です。