プラス思考によって頭がよく働くようになるのは、ドーパミンという脳内の神経伝達物質の分泌量が増えるからだ。その量が増えると、脳の働き、とりわけ前頭前野の動きが活発になって、思考力や記憶力が高まるのだ。

 ドーパミンが増えるのは、楽しいとか幸福だと感じているとき。逆に、「自分はダメだ」とマイナス思考にとらわれているときには、ドーパミンは出てこない。

 脳内のドーパミンを増やし、頭を働かせるためには、まずはポジティブに考えることだ。「どうせ無理だ」と思ってしまいそうなときでも、あえて「なんとかなるだろう」と考えてみる。そうやって、プラスに考える癖をつければ、頭はいつもよく働き、思いもよらなかったアイデアも出てくるはずである。

照れずに「自分ボメ」で脳に活力を

 気分のいいとき、頭の回転がよくなるのは、前述してきたとおり。では、どんなとき気分がよくなるかというと、一つには人からほめてもらったときがある。たとえ、お世辞とわかっていても、ほめられて悪い気がする人はいない。

 だから、脳力をアップさせるには、人からほめてもらうのが一番なのだが、現実にはなかなかそうはいかない。人は、めったなことでは、ほめてはくれないものだからだ。

 それならば、「自分で自分をほめる」という手がある。自分で自分をほめても実感が湧かないと感じる人もいるかもしれないが、実際に自分をほめてみると、けっこううれしくなるものだ。

「よくぞ、こんな難しい本を短期間に読んだものだ。われながらすごい」「今日はいつもより1時間も早く仕事を終えた。自分は段取り上手だ」などと自分をほめてみる。

 具体的な成果にもとづいてほめると、たとえ自分のほめ言葉であっても、説得力を感じるものだ。自分を「ほめる」のを日常的な習慣としていると自信がつき、さらに仕事や勉強に励んでみようというモチベーションが湧いてくるはず。