「中国に投資する時代が終わった」と嘆く中国人

 ロックダウン解除後も理不尽な制限が強いられているため、経済活動の回復はなかなか期待するほど進んでいない。中小企業も非常に厳しい局面に直面している。

 上海の経済開発区にオフィスを持つある企業経営者が、オフィスビルの同じフロアにあるほかの企業のオフィスを回ってみたところ、営業を開始したのは、彼の会社1社だけだったという。ほかの会社は事態不明の1社を除いて、全部が撤退した。

 投資環境や経営環境に敏感な外資企業も中国を撤退するスピードを上げ、規模を増している。

 6月27日付の韓国の中央日報日本語版の報道によると、中国に進出した韓国企業の中で今後「中国事業を縮小・中断・撤退・移転する」とし、中国脱出の意思を明らかにした企業の比率が55.3%に達しており、2カ月以上も上海をロックダウンしたことで被害を受けた韓国企業も10社中9社(88.1%)に上ったという。

 上海米国商工会議所(AMCHAM)、中国欧州商会、在上海日本商工クラブの最新の調査によれば、米国企業の48%、欧州企業の23%、日本企業の14%は、中国への投資縮小や延期を考えているという。中国を撤退することに対しては、日本企業の態度は慎重だが、中国での投資を拡大するという返事は1%にすぎなかった。こうした調査結果を見て、「中国に投資する時代が終わった」と中国のSNSでは、多くの中国人が時代の変化を嘆いている。

 また、中国メディアによると、「ベトナム経済は、輸出と消費の回復により、今年第2四半期(2022年4〜6月)は力強く回復し、GDP成長率は前年比7.72%に達し、過去11年間で最大の伸び率」とのこと。ベトナム国家統計局は、「東南アジア諸国や世界の他の国々と比較しても、これはかなり高い成長率であり、同時にベトナムはマクロ経済面での安定を保っている」ともコメントしている。このニュースに、多くの中国人が自国と比較してショックを受けた。

 このままではさらに中国が厳しい局面に追い込まれるのが目に見えている。なにか積極的行動を起こさないといけないと多くの中国企業の経営者は考えている。疲弊した経済に元気さを取り戻させるために、思い切った支援措置を講じなければならない。それが、いまの中国で議論されている主要な話題の一つだ。