米国は中国への対応で欧州とアジアの主要同盟国との結束を強めている。中国はウクライナでの戦争を巡りロシアを支持するなど、各国に安全保障における共通の課題を突き付けているとの認識だ。今週の北大西洋条約機構(NATO)首脳会議には、日本、韓国、オーストラリア、ニュージーランドが初めて招かれた。29日に発表した「戦略概念」は今回初めて中国に言及し、中国の「あからさまな野心や威圧的な政策は、われわれの利益や安全保障、価値観に挑戦している」とした。欧州諸国は中国を経済的な機会として捉える傾向にあったものの、中国の強圧的な姿勢が関係の冷え込みを招くようになった。こうした国家が、中国の覇権的な動きを目の当たりにしてきた日本やオーストラリアなどと協力を深めている。