「育業」で変わる?職場に子どもの事情を持ち込むか…アラフィフ女性2人の対極体験談写真はイメージです Photo:PIXTA

小池都知事が「育業」発表
昭和の価値観を見直す必要性

 東京都の小池百合子知事が、「育休」ならぬ「育業」という言葉を発表した。男性の育児休業取得の推進が狙いで、「すみません」と職場で謝って育休を取るのではなく、「育児という大事な業務に取り組んで参ります」と堂々と宣言して取得してほしい、といった主旨らしい。

 これに限らず、昭和のサラリーマン家庭をモデルとした制度や価値観を見直す流れが広がっている。

 育業発表の数週間前、令和4年版の男女共同参画白書が閣議決定された。同書によると、かつて夫婦と子どもが標準的な家族構成であったが、今や単独世帯の割合が38.0%と、1980年(昭和55年)時点と比べて2倍近い。

 一方、昭和の終わりに大半を占めていた専業主婦世帯は徐々に減り、今や共働きが主流となっている。2014年には妻がパートタイム労働の世帯が、20年には妻がフルタイム労働の世帯が、専業主婦世帯を抜いている。

「イクメン」なる言葉が生まれ、働き方改革の推進もあり、共働き世帯における男女の役割は昔とは大きく変わってきている。そして、職場でも共働き世帯や子どもを持つ女性への理解は進んでいるかのように思える。

 しかしながら現実的には、子どもを持つ働く女性にとって、職場に子どもや家庭の事情をどこまで持ち込んでいいのか悩みは尽きない。次ページからは、対極的な二人の女性のエピソードを紹介する。