壁を超えたら人生で一番幸せな20年が待っていると説く『80歳の壁』が話題になっている今、ぜひ参考にしたいのが、元会社員で『島耕作』シリーズや『黄昏流星群』など数々のヒット作で悲喜こもごもの人生模様を描いてきた漫画家・弘兼憲史氏の著書『死ぬまで上機嫌。』(ダイヤモンド社)だ。弘兼氏のさまざまな経験・知見をもとに、死ぬまで上機嫌に人生を謳歌するコツを説いている。現役世代も、いずれ訪れる70代、80代を見据えて生きることは有益だ。コロナ禍で「いつ死んでもおかしくない」という状況を目の当たりにして、どのように「今を生きる」かは、世代を問わず、誰にとっても大事な課題なのだ。人生には悩みもあれば、不満もあるが、それでも人生を楽しむには“考え方のコツ”が要る。『死ぬまで上機嫌。』には、そのヒントが満載だ。
※本稿は、『死ぬまで上機嫌。』より一部を抜粋・編集したものです。

【漫画家・弘兼憲史が教える】<br />定年後の男性が定期的にやったほうがいい<br />健全だけどちょっと刺激的なこと作:弘兼憲史 「その日まで、いつもニコニコ、従わず」

男女間の友情は成立するか問題

同性の友人関係を整理する代わりに、異性と友人としてつき合いを持つのはいいことです。「男女間の友情は成立するか?」といったテーマで、誰もが一度や二度くらい議論をしたことがあるのではないでしょうか。

若い頃の僕は、「男女間の友情なんて成立するわけがないだろ」と思っていました。若い男性は、どうしたって女性を性的な対象として意識してしまうものです。純粋な友情関係を結ぶなんて、どうしても想像できませんでした。

ところが、70代になった今では「まあ、そういう関係もあるんだろうな」と思えるようになりました。長く生きていれば、いろいろな変化があるものです。僕自身、男性の友人と腹を割ってつき合う時間も好きですが、女性の友人と過ごす時間も楽しんでいます。

男女のグループで刺激を得る

女性の年齢が若すぎると、話が合わなくてストレスになりかねないので、ちょっと年下から同世代くらいがちょうどいい。相手を性的な対象として意識していなくても、魅力的な女性を前にすると、やっぱり気分が高揚します。男性と接しているときとは明らかに別の緊張感もあり、それが精神的な刺激になって楽しいのです。

やましい関係ではないとはいえ、配偶者の手前、女性と二人きりで会うのは憚られるという人も多いことでしょう。そこでおすすめしたいのは、男女のグループで会う時間を作ることです。男女のグループで定期的に食事会などを催すのです。

異性がいる場に出かけるとなると、それなりの緊張感を持って身支度します。ある程度小綺麗な格好をするとか、散髪してから行くとか、最低限の身だしなみを整えるでしょう。

男性は本能的に女性の前でいい格好をしたいと考えます。そういった緊張感とかいじらしい努力は、日常に刺激を与えてくれます。気分が若返り、ハリが出てくる効果があるのです。

※本稿は、『死ぬまで上機嫌。』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。