5つの裏ワザで
高額療養費をお得にしよう

【裏ワザ1】限度額適用認定証を入手する

 限度額適用認定証は、その患者の高額療養費の所得区分を証明するものだ。これを医療機関に提示すると、患者が窓口で支払うのは医療費の3割ではなく、高額療養費の上限額まででよくなる。

 認定証ができる以前は、窓口で医療費の3割を支払った後で、健康保険組合に申請して、高額療養費の上限額との差額を払い戻してもらう手続きをしなければならなかった。診療報酬請求の仕組み上、高額療養費の申請をしても、還付金が振り込まれるまでには、3カ月程度かかる。いずれ還付されるとはいえ、数十万円単位のお金を用意するのは家計の負担になる。

 だが、限度額適用認定証があれば、還付手続きをする必要はなく、医療機関の窓口では、最初から高額療養費の上限額まで支払えば済むようになる。

 限度額適用認定証は、健康保険証のように加入者全員に自動的に配布されるものではなく、必要な人が健康保険組合に申請して、発行してもらうことになっている。会社員は勤務先の健康保険組合や協会けんぽ、自営業など国民健康保険の加入者は市区町村で発行してもらう。担当窓口に行けば、その場で発行してもらえるので、医療費が高額になりそうな場合は早めに入手しておこう。

【裏ワザ2】カード払いでポイントをためる

 国立病院機構や大学病院、病床数の多い民間病院など、規模の大きな病院では、医療費の支払いにクレジットカードが利用できる。入院や手術をすると、高額療養費が適用されても、自己負担額は数万~数十万円になるのが一般的だ。カード決済にすれば、その分のポイントをためられて、家計費に還元できる。

 なかには、できるだけ多くのポイントを得るために、あえて限度額適用認定証は使わないという人もいる。窓口では通常の自己負担分の3割を支払い、後から健康保険組合に高額療養費の申請をして、差額を取り戻しているのだ。この方法なら、医療費の3割分のポイントがためられる。家計に余裕があり、高額療養費の還付金が戻るまでの間、生活に困らないだけの預貯金があるなら、こうしたカードの裏ワザを使うのもいいだろう。