アベノミクスは道半ば、成長戦略は岸田政権の喫緊の課題2022年3月にダイヤモンド編集部のインタビューに答える安倍晋三元首相 Photo by Yoko Akiyoshi

参院選自民党勝利で株高
好感されたアベノミクス継承

 参院選で自民党が「大勝」が確定した7月11日、東証平均株価は一時500年を超える上げ幅となり、為替相場も一時137円台まで円安が進んだ。

 岸田首相が選挙前、「骨太方針2022」などで、経済政策では「アベノミクス」継承を掲げたことが好感されたといってもいい。

 銃撃を受けて死去した安倍元首相が、7年8カ月に及ぶ第2次政権下、アベノミクスの「三本の矢」が目指したのは、足りない需要を金融・財政政策を中心に作り出し、景気を回復させることで需給ギャップを埋め、物価を緩やかに上昇させようというものだった。

 第一の矢の「大胆な金融緩和」では、「2%インフレ目標」を掲げて「極端な円高・株安の是正」を進め、第二の矢の「機動的な財政政策」は、公共事業や減税等により財政支出を増やし、第三の矢である「民間投資を促す成長戦略」は、世界で最もビジネスがしやすい国にするための構造改革を進めることだった。

 第一の矢は円安・株高で大きな成果を上げた一方、第二の矢は拙速な消費増税が悔やまれ、第三の矢はいまだ道半ばだ。