6月はインフレが加速した。そろそろ落ち着き始めるかもしれないが、十分にとはいかないかもしれない。米労働省が13日発表した6月の消費者物価指数(CPI、季節調整済み)上昇率は前月比1.3%、前年同月比では9.1%に達した。これは1981年11月以来の高い伸びで、ガソリン価格の高騰が主な要因だった。一方、変動の大きい食品とエネルギーを除いたコアのCPIは前年同月比5.9%上昇と、5月の6%から伸びが鈍化。3月に記録した6.5%から落ち着く気配を見せているが、それでもまだ快適といえる水準ではない。今回のインフレ統計を受け、米連邦準備制度理事会(FRB)が26~27日の米邦公開市場委員会(FOMC)でフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジを0.75ポイント引き上げるとの見方は確信に変わった。このため、投資家の関心は次回9月の会合に移っている。足元ではインフレ率を押し上げている分野の価格動向に変化の兆しがみられるため、その頃には状況が一変しているかもしれない。
ピーク見えた米インフレ、FRBは手綱緩めず
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