
――筆者のグレッグ・イップはWSJ経済担当チーフコメンテーター
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インフレ率はピークをつけた。米連邦準備制度理事会(FRB)は金融引き締めの任務を完了。力強い労働市場と個人消費の基調により、リセッション(景気後退)に陥ったとしても緩やかなものにとどまるだろう。
これはここ数週間の株式市場に追い風を提供した見立ての1つだ。その結果、FRBがソフトランディング(軟着陸)を達成するとの期待が高まった。具体的には、失業率の大幅上昇や景気後退入りを招くことなく、インフレ率を2%に回帰できるという展開だ。
何より、現実を直視することが適切だ。ソフトランディングは確かにあり得るが、こうした見立てはFRBの仕事ぶりを厳しく評価するというよりは、希望的観測に近い。検証してみよう。