日本電産の永守重信会長兼最高経営責任者(CEO)が定義する「ハードワーキング」とは、長い時間働くことではなく、競争相手に勝てるスピードで仕事をして、結果を出すことができる働き方のこと。このハードワーキングを実践してきたことで、日本電産は今日の発展を遂げたといえる。結果を出すために求められる働き方と姿勢とは。
*本稿は、永守重信『人生をひらく』(PHP研究所)の一部を抜粋・再編集したものです。
「ハードワーキング」の定義とは?
ハードワーキングか否かを判断する際に重要な観点は、「競争相手に勝てるスピードで仕事をしているか」あるいは「競争相手に勝てる結果を出す仕事をしているか」であって、単純に時間をかけたか否かは問題ではありません。
ですから、1日に16時間働いても相手に勝てないのだったら、ハードワーキングではありませんし、1日4時間しか働かなくても競争相手に勝ってしまうのだったら、ハードワーキングということになります。
つまり、「どれだけ長時間働いているか」ではなく、「競争相手に勝てるアクションを取れるのに十分な時間働いているか」という時間軸で考えることが、ハードワーキングの要諦ということです。
だから、寝食を忘れて働いたとしても、競争相手に負けるような商品をつくっているのだったら、それはハードワーキングではなく、「ソフトワーキング」になってしまう。
ただ、普通は半日勤務では勝てません。ノーベル賞をもらっている研究者も人の倍は働いているそうですから、世界一になろうと思ったら、それ相応の時間をかけなければ、競争相手に勝つのは難しいでしょう。