建設業のイメージ写真はイメージです Photo:PIXTA

コロナ禍と資材高により、ゼネコンの採算悪化が顕在化してきた。中小建設業者を中心に新型コロナ倒産が増え、今年上半期の建設業の倒産件数は14年ぶりに増加した。苦境の実態について、データで解説する。(東京商工リサーチ情報部 増田和史)

上場ゼネコン53社の
売り上げ増加は砂上の楼閣

 ゼネコンの採算悪化が顕在化してきた。主要上場ゼネコン53社の2022年3月期決算(単体ベース)の利益合計は、売上総利益から最終利益までいずれも減益に終わった。本業のもうけを示す営業利益は、2019年3月期から4年連続減益の5381億円。前期から約3割(34.6%)も落ち込んだ。五輪関連施設などの特需がピークだった2018年3月期の営業利益1兆579億円と比べると、半減の厳しさだった。