企業悶絶!インフレ襲来#4Photo:Eric Lafforgue/Art in All of Us/gettyimages

じりじり進む円安と、原油などの資源価格や穀物価格の高騰が、日本企業の原価を大きく圧迫している。特集『企業悶絶!インフレ襲来』(全13回)の#4では、その衝撃度を測るために、新型コロナウイルス感染拡大前と直近の四半期の売上高原価率を比較し、その上昇度でインフレ「採算悪化」ランキングを作成した。今回は非製造業編の上位50社を公開する。上位には鉄道会社がずらりと顔をそろえた。(ダイヤモンド編集部編集委員 竹田孝洋)

円安が輸入価格上昇に拍車
日本企業の収益を大きく圧迫

 2021年1月中旬、ガソリン価格はレギュラーで全国平均1リットル=130円台だった。しかし、今は160円台に上昇している。自動車を頻繁に利用する人は、値上がりを実感しているだろう。原油価格の高騰に加え、じりじり進む円安が輸入価格の上昇に拍車を掛けている。

 燃料費などのコスト増加に見舞われているのは企業も同じ。中でもどういった企業が原価上昇、収益圧迫に苦しんでいるのか。そうした企業をあぶり出すために、今回、原価率上昇度を基にしたインフレ「採算悪化」ランキングを作成した。

 金融業、情報・通信、サービスを除いた全上場企業の1月4日時点での時価総額上位500社について、直近の四半期決算(原則21年6~8月期から同8~10月期決算)の売上高原価率と、コロナ禍に見舞われる前である、その2年前の同時期の四半期決算の売上高原価率を算出し、前者から後者を差し引き、原価率上昇度を求めて高い順に並べた。

 多くの場合、原価に人件費が含まれることが少ない非製造業と、人件費が含まれる製造業は、比較するに当たっては分けるべきであると考え、別々にランキングを策定した。

 次ページから非製造業の上位50社を掲載する。上位には同一業種がずらりと並んだ。その業種とは何か。