村田製作所の創業者と
任天堂の中興の祖

村田製作所創業者の村田昭村田製作所創業者の村田昭 Photo:JIJI

 その名のごとく京都市の西郊・中京区にある。ルーツは1886年に創立された京都府商業学校だ。だが現在、「商業」の面影はない。未来社会創造学科エンタープライジング科というユニークな名称の学科だけがある。

「京都銘柄」と呼ばれる企業がある。京都ならではの独自の技術や伝統を有し業容が個性的で、世界を相手に活躍している優良企業のことだ。

 村田製作所といえば、京都府長岡京市に本社を置く電子部品メーカーだ。「京都銘柄」を象徴する企業だが、その創業者である村田昭が西京高校の前身である旧制京都市立第一商業学校で学んでいる。

 村田は、肺結核のために同校を1936年に中退、家業の陶器店を継ぎ、特殊磁器製作に挑戦、44年に村田製作所を設立した。セラミック半導体・圧電セラミックスなどで世界市場を席巻し91年、長男に社長の座を譲った。2006年2月に死去した。

 村田製作所では現在、スマホやタブレットの電子要素部品が稼ぎ頭だ。年間2億台以上のiPhoneを全世界で売っている米アップルなどに部品を供給している。22年3月期決算では売上高は1兆8125億円、純利益3141億円で、売上高、純利益とも過去最高を更新した。「京都銘柄」の中でも高収益の企業として注目されている。