「バブル紳士の守護神」であり
「反原発の闘士」でもある河合弘之
東京の西郊にある国立(くにたち)市。桐朋高校はその文教地帯にある。武蔵野の面影をとどめる緑と調和したキャンパスだ。私立で、男子のみの6年制中高一貫教育だ。
個性が突出した卒業生がいる。弁護士の河合弘之だ。
河合は、弁護士の海渡雄一(私立灘高校=神戸市=卒)とともに、「脱原発弁護団全国連絡会」(脱原弁連)の共同代表を務め、全国各地で30件以上争われている原発の運転差し止め訴訟をリードしている。各地でバラバラに争われていたが、2011年3月の東京電力福島第一原発事故後、河合らが連帯を呼び掛けて同年7月に連絡会をつくったのだ。
言ってみれば河合は、「反原発の闘士」なのだ。その一方、「バブル紳士の守護神」という、穏やかならざる枕ことばをつけられてもいる。
ダグラス・グラマン事件、平和相互銀行事件、イトマン事件…など昭和時代に発生した数々の大型経済事件に企業弁護士としてかかわった。多くのバブル紳士と付き合い、その弁護人を務め、名を上げた。