海外出張に行って、さて自己紹介となったら、名前と肩書ぐらいしか話せなかった。そんな悲しい経験を持ってらっしゃる方も、いらっしゃるのではないでしょうか。書籍『英語は最初の10秒!』は、そんな経験をお持ちの方のために作られています。著者の小池リオさんが、25年間のニューヨーク生活で気づいたこと。それは、日本人に本当に必要なのものは「愛嬌のある英語」ということでした。いくつかの「つかみネタ」を仕込んで、ちょっとユーモアを交えながら話すのが、『英語は最初の10秒!』の方法、「つかみイングリッシュ」です。本連載では、あなたの本来持つ素敵なキャラクターを存分に伝えるための方法をご紹介していきます。今日ご紹介するのは、10秒で外国人が微笑んでくれる、「季節ネタ」で心をつかむ方法です。

【ニューヨークで25年活躍するスタンドアップ・コメディアン】<br />がおススメの「愛嬌のある自己紹介」<br />【季節ネタでつかむ!】Photo: Adobe Stock

「季節ネタ」で相手の気持ちをつかむ!

 外国人との初対面、自己紹介の際に、名前以外に話すことがなくて絶句してしまった方いらっしゃるのではないでしょうか。

 そんな時は、2行目に相手の気持ちをつかみ、喜んでくれるフレーズを使ってもらうのがおすすめ! です

 早速例文をご紹介しましょう。

日本のベストシーズンは「*」です。

●いい日だね~!
▶ It’s a good day.

●日本のベストシーズンは春です。
▶ The best season in Japan is spring.

 どんな季節だったとしても、「日本のベストシーズンは*です」と、今の季節を言ってしまえばOKです。

 使いまわしがきくやり方です。

 春夏秋冬の4つの季節で、それぞれ別々のネタを覚えておくのは大変ですから、「春」にしぼってしまうやり方もあります。

「春」なら桜や花見など話題が豊富ですので春に絞ります。どんな季節の時でも「春だったらもっといいのにー」といったん、話題を「日本の春」ネタにすることができる方法です。

 この例文の「英語方程式」は、

▶ It’s a “○○” day.
▶ The best season in Japan is spring.

 になります。

 いかがですか?

 では、さらに、応用例も紹介してみたいと思います。

 こちらです。

 季節は、夏です。

●暑い日だね~!
▶ It’s a hot day.

●日本のベストシーズンは春です。(春はもっといいよ)
▶ The best season in Japan is spring.

●花粉症以外はね。
▶ Except for pollen allergies.

 3行目に、
「~以外はね」
▶Except for ~. という(例外フォロー)を入れると、外国はきっと微笑んでくれるはずです。

 日本のベストシーズンは、世界的にも桜が開花する春です。

 この話をきっかけにして「日本の花見、何するの?」と話を展開していけば、興味を持ってもらえます。

「季節ネタ」で心をつかむ方法、是非、ビジネスの現場や、カフェや酒場で試してみてください。

『英語は最初の10秒!』より)
※本書には、この他にも、たくさんの「愛嬌のある自己紹介イングリッシュ」の例文が収録されています)

小池リオ(こいけ・りお)
スタンドアップコメディアン
1967年2月27日生まれ。あのビヨンセも笑わせた、世界唯一の日本人プロスタンダップコメディアン。NYを中心に20年間の活動で世界中のセレブゲストを含む40万人以上を爆笑の渦に巻き込んだ実力派。大学時代は社交ダンス全日本準優勝。世界一を目指し単身渡米、LAダンス選手権準優勝。ダンス引退後はマジシャンに転向しハリウッドマジックキャッスルプロテスト合格。その後30歳でコメディーを始める。
丸覚えしたジョークがたまたま発表会でウケて、NYでコメディアンになる。元々は英語の成績は「10段階の2」。そのためアメリカ人コメディアン達と会話は全くできず、「リオと会話すると時間が短く済んで助かる」と揶揄される。クラブオーナーからは「あの日本人は挨拶もできないのか」と怒りを買いクビ寸前に。気の利いた英語挨拶術の習得が急務になる。どうせ日本人なのだからと開き直り、最初の「ハロー」から3分間の自己紹介を全て丸暗記したらバッチリ通用。相手が誰でもこちらはワンパターン英語でいいのだと発見。おかげでクビは逃れ、以来、英語が上手くなくても愛嬌のある日本人として可愛がられ大逆転。「つかみイングリッシュ」の企画は、その方法を日本人なら誰でもカスタマイズできるように整理し、まとめ綴ったもの。
自分に関係した「自分事」フレーズなら今までと違ってチャーミングに人間味までも伝わる。今まではすっ飛ばされていた英会話の入り口である「つかみ」を向上して、世界に「噂と違って、日本人は楽しい国民ばかりだな。もっと付き合ってみたいな」と思ってもらうのがミッション。