不安や悩みが尽きない。寝る前にイヤなことを思い出して、眠れなくなるなんてことも……。そこで参考にしたいのが、増刷を重ねて好評多々の感動小説『精神科医Tomyが教える 心の荷物の手放し方』(ダイヤモンド社)だ。ゲイのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症……苦しんだ末にたどり着いた、自分らしさに裏づけられた説得力ある言葉。とても読みやすいオムニバス形式の8つのショートストーリーは、ふと心が落ち込んだとき、そっと心の荷物を手放すための優しい言葉を授けてくれる。voicy「精神科医Tomy きょうのひとこと」の心がスッと軽くなる“言葉の精神安定剤”で、気分はスッキリ、今日がラクになる!

【精神科医が教える】「どうしても合わない人」と仕事をするとき…人間関係の悩みが一気に晴れるたった1つの考え方

「あるがまま」を受け入れる

「森田療法」というのをご存じでしょうか? 森田正馬(もりた・まさたけ)という精神科医による神経症(不安症)に対する治療方法です。この治療法で主眼となるのは、自分自身の「あるがまま」を受け入れるということにあります。

そうすることによって、ストレスや悩みごとから解放される方向に向かうというものです。アテクシは森田療法の専門家ではありませんが、この「あるがまま」というキーワードは素晴らしく、日ごろから自分にいい聞かせるだけでも、けっこう効果があると思っています。

人間というのは少々面倒くさい生き物で、悲しいこと辛いことなどネガティブな出来事が起きると、「早く乗り越えなければならない」と思いがちです。すると、「どうやって乗り越えたらいいんだろう」とか「やっぱり乗り越えられない」という事態が発生します。

乗り越えなくてもいい

でも、悲しいことは悲しいこととして、乗り越える必要はないのです。「いまは悲しい思いをしていて、すごい辛い」「あれからしばらく経ったら。ちょっとラクになったな」と、そのときの「あるがまま」を受け入れる。

「乗り越えよう」とか「もう悲しまない」なんてことは考えず、「あるがまま」でいいわけです。そのうちちょっと悲しさも薄れてきたら、散歩を楽しんでもいいし、また悲しくなってきたら、その悲しみを「あるがまま」に受け入れればいい。

傍観者になってみよう

人間関係にも同じことがいえます。「Aさんと仲が悪いな、会うのが嫌だな」と思っているのならば、そのことをまずは受け入れてみる。嫌な感情を含めて、Aさんとの関係で起きたことを、空に浮かぶ雲を眺めるかのように、あるがままに眺めていく。

批判も反省も評価もなにもせず、ただ眺めて流す。自分の感情もそのままにして、頑張って乗り越えようとしない。イメージとしては、外を散歩していて、山を眺めたり雲を眺めたりして、そこにいろんな草が生えてるな、こんな花があるな、と傍観者になる感じです。

こうしたことを踏まえて、嫌なことがあったら「あるがまま、あるがまま」とつぶやくだけでも、けっこう効果的だと思います。ぜひお試しください。

『精神科医Tomyが教える 心の荷物の手放し方』(ダイヤモンド社)には、不安や悩みを解消するヒントが満載です。