子どもの前向きな捉え方に対し、大人は…
――この本で意外に思ったのは、読者のなかでも子どもさんと大人の方からで、感想がかなり分かれている、という話です。
金井:そうなんです。お子さんたちからは総じて、「今後、こういう絶滅が起こらないように、保護していかないといけない」など、自分たちの行動で未来を変えようという前向きな感想が多く寄せられました。このシリーズ1作目が出た2018年当時は、まだSDGs教育がスタートする前でしたが、リサイクルや環境保護の大切さがすでに声高に言われていた影響もあるかもしれません。
一方で大人の方からは、「(生物を絶滅に追いやった)人間は醜い」「人間という罪深い生きものは……」といったネガティブというか自虐的な感想が多かったのが印象的でした。
――子どもたちはきちんと考えて行動を起こそうとしていて、頼もしい! でも、その大人の悲壮感ただよう感じ方も、第2弾の中で活かされていくわけですね。
(明日公開の中編『ウナギが絶滅しそうなら養殖すればいい!? 絶滅しそうな生きものについて子どもと一緒に考える』に続く)