人間のせいで起きている現代の問題
金井:第3弾は、「人為(じんい)絶滅」といわれる、今人間のせいで起きている絶滅が裏テーマでした。なので、人間のせいで絶滅した生きものを意識して取り入れたり、「今まさに絶滅しそう」だとか「絶滅したと思ったら実は生きていた」「繁栄した」という例など、絶滅以外のテーマも充実させたんです。絶滅しそうになっているラッコやクロマグロなど、今起きている重い問題を取り入れられたのも、シリーズを重ねて第3弾だからこそできたのかもしれません。
私自身もそうでしたが、ホッキョクグマやニホンウナギの苦境について、大人でも実のところよくわかっていないという方も多いと思うので、ぜひ読んでいただけたら嬉しいです。毎年、土用の丑の日にはSNS上で「ウナギを食べるな!」「なぜ?養殖ならいいのでは?」「わかってないなー!!」と、議論が紛糾しているようですが、ぜひ多くのみなさんに実態を知ってもらえたらと思います。
それ以外にも、付録として切り離し別冊「わけあって根絶されました」を付けました。「絶滅はいけないこと」という風潮にありながら、実は人間が絶滅をはかって駆除などした生きものたちが不平不満を言いあっていて、これも面白く読んでいただければ嬉しいです。
――その別冊のなかで、「人間の命をおびやかすからって、根絶されるのは許されるのか!?」といま根絶されそうになっている動物たちが議論する「根絶されて委員会?」というコーナーがあって、かわいいイラストなんだけど考えさせられる内容でした…。(明日公開の後編「子どもは骨格標本を見ると頭が良くなる?! ティラノサウルスの骨を見るとわかること」につづく)