エネルギーを大量に消費する西側諸国とロシアとの関係が悪化する中で得をするのは誰か。それは、中国国有石油大手の中国石油化工(シノペック)のようだ。アジア最大級の製油企業の上場子会社であるシノペックの第1四半期決算は大幅増益となり、好調な業績だったが、割安なロシア産原油によってさらに利益が膨らんでいた可能性があったのだ。同社は、政府が定める石油製品価格の下落や中国経済の減速という脅威に直面している。だが、今年後半に欧州の禁輸措置や「買い手カルテル」が現実のものとなれば、さらに割安なロシア産原油から恩恵を受ける可能性もある。中国の中銀もようやく金融政策の緩和に踏み切らざるを得なくなり、特に中国株には一定の支援材料を提供することになるだろう。シノペックは(現在のところ)、香港、上海、ニューヨーク市場で取り引きされている。同社は第2四半期決算を8月28日に発表する予定だ。