米国のインフレ指標の低下に安心した一部の投資家が、物価の頭打ちを見込んだ取引に一段と傾いている。だがこの1年は、そうした取引を手掛けた投資家が痛い思いをしている。10日に発表された7月の米消費者物価指数(CPI)を受けて、インフレは構造的というより偶発的との見方や、米連邦準備制度理事会(FRB)がそれに応じて急激な利上げペースを減速させるとの見方が再び強まった。投資家は現在、FRBの9月の利上げ幅が前回よりも小さくなると予想している。また、2023年前半の利下げを引き続き織り込み、金利低下時に堅調推移が見込まれるハイテク株を買っている。こうした動きから分かるのは、FRB幹部らが追加利上げの必要性を訴える中でも、多くの投資家は持続的な物価上昇が比較的早く収束するとの見方を崩していないということだ。FRBが追加利上げに踏み切れば、株式・債券市場は最近の上昇分を失う恐れがある。
懲りない投資家、米インフレ低下にまた賭ける
FRBが追加利上げに踏み切れば、市場は最近の上昇分を失う恐れも
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