一つ思考実験をしてみたい。経済が景気循環の終わりにあるように見え、失業率は過去最低水準に近く、予想成長率は低く、金利は引き下げられ、株価は高い時期があるとする。それから3年後、経済は当時からそれほど大きく成長しておらず、失業率はやや低下し、成長率予想はさらに低下、金利は引き上げられているとする。その場合、株式などのリスク資産はどうなっているだろうか。少なくとも現在の実際の株価について言えば、当時よりも3分の1上昇している、というのが正しい答えになる。そうした景気循環の終わりは2019年だった。投資家の目には、足元の経済はほぼどの指標(企業が多額の利益を稼いでいることを除く)で見ても当時より悪化しているように映る。
株価と経済の乖離、永遠には続かず
経済成長の減速、インフレの加速、金利の上昇は長期的な繁栄の処方箋ではない
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