欧州のエネルギー危機により、天然ガスの輸送タンカーをめぐる世界的な争奪戦が起きている。船舶が不足し、過去最高水準にある天然ガス価格は一段高となっている。ロシアが供給を削減したため、欧州諸国は今年、米国やカタールなどから液化天然ガス(LNG)の購入を増やしている。限られた数の船舶で輸送される限られた量のガスをめぐり、猛暑でガス需要が急拡大した韓国や日本との間で競争が起きている。これを受けて、LNGを輸送する新規タンカー建造の受注が増え、その価格も上がっている。LNG専用タンカーは、フットボールの競技場3つ分の長さがある。また、既存タンカーのチャーター料も急騰しており、欧州やアジアでガス価格が過去最高を更新する一因となった。