電気自動車(EV)中国最大手の比亜迪(BYD)は今年、これまでのところ絶好調だ。中国経済に陰りが見え始めていることが一時的な逆風になる可能性はあるが、同社のビジネスの才覚には文句をつけがたい。ウォーレン・バフェット氏が出資するBYDは7月、国内の競合他社に対するリードをさらに広げ、新エネルギー車の販売台数を3倍以上伸ばして過去最高を記録した。中国政府がこのセクターを引き続き後押ししていることも支援材料だ。政府の低公害車優遇策を背景に、BYD株は3月に付けた52週安値からほぼ2倍になった。ファクトセットによると、向こう12カ月の予想利益に基づくBYDのPER(株価収益率)は56倍と、米同業テスラに匹敵する水準だ。もっとも、BYDより規模が小さい中国の理想汽車(リ・オート)の109倍は、はるかに下回る。