2022年の米IPO(新規株式公開)市場は、このまま行けば過去数十年で最悪の1年になる見通しだ。そのため株式市場が落ち着くまでの間、新興企業には手元資金を取り崩す以外の選択肢がほぼなくなっている。昨年終盤には数百社が上場に向けた最終段階にあった。それまでの18カ月の米IPO市場が過去最高の活況を呈したことが、これら企業の背中を押した。だがその後、猛烈なインフレや金利の上昇、ロシアによるウクライナ侵攻といった要因が重なり、その衝撃波が株式市場全体に広がった。予定されていたIPO案件は凍結された。調査会社ディールロジックのデータによると、2022年は今のところ、従来型IPOでの調達額が計51億ドル(約7018億円)にとどまる。同社の1995年以降のデータによれば、従来型IPOは通常、1年のこの時期には330億ドル程度を調達できている。昨年の同時期には調達額が1000億ドルを超えていた。