ジョー・バイデン米大統領は今年前半、就任以降の1年4カ月間には名指しすることさえ避けてきたドナルド・トランプ前大統領を、一転して激しく批判するという戦略的な決定を下した。しかし、捜査当局がフロリダ州にあるトランプ氏の邸宅「マールアラーゴ」を家宅捜索して機密文書を押収してから2週間が経過しても、バイデン氏は沈黙を保ったままだ。バイデン氏や側近は、進行中の捜査についてコメントすることは不適切だと述べている。家宅捜索はすでにケーブルテレビで大きく取り上げられているほか、ようやく民主党が実現した立法の成果から国民の関心をそらしている。バイデン氏の顧問はこれ以上物議を醸すことは避けたい考えだ。