ロシアのウラジーミル・プーチン大統領と中国の習近平国家主席ロシアのウラジーミル・プーチン大統領と中国の習近平国家主席 Photo:Mikhail Svetlov/gettyimages

習近平氏とプーチン氏
裏目に出た「永遠の友情」

 8月16日、中国の李克強首相が広東省深センを視察したときに発した言葉が物議を醸している。李氏は「中国の開放はまだ引き続き進めなければならない。黄河と長江は逆流しない」と述べて、鄧小平氏(故人)の改革開放路線の保持を訴えて、対米強硬と内製化に傾く習近平国家主席を批判したのではないかと憶測を呼んでいるのである。政権内で習主席に対する風当たりが強まっていることがうかがえる。

 習主席は対米強硬を強化するとともに、ロシアとの連携強化に乗り出している。中ロが現在のような連携関係となるきっかけとなったのが、2021年2月4日の北京オリンピック開会式の後に行われた両者の会談だった。ウイグル問題で多くの国家首脳が参加を見合わせる中、堂々と出席してくれたプーチン大統領に、習主席は「ロシアに対する無限の友情」を約束した。

 ロシアがウクライナに軍事侵攻したのは、その後のことだった。