竹川美奈子さんの新著『一番やさしい!一番くわしい!はじめての「投資信託」入門』より、投資信託のしくみや、大切なポイントの一部を紹介する第2回目。
投資信託は、お弁当のようなものです。投資信託という名前がついた「器」に入れる中身、つまり株、債券、通貨などによって、同じ「投資信託」と名前がついた商品でも、性格や値動きが違ってきます。現在、購入できる投信はなんと4000本以上と多種多様。金融機関などで「おすすめ」と言われたものでも、まずは「中身」をちゃんと確認しましょう!
投資信託は、略して「投信」、
あるいは「ファンド」とも呼ばれる
第1回では、「投資信託」は、お弁当のようなものとご説明しました。
たとえば、お弁当やさんは、肉や野菜などのさまざまな素材を仕入れます。それをプロの料理人が調理して「お弁当」という商品にし、お客さんに販売します。
投資信託も同じように、運用のプロが一定の投資理念・運用スタイルに基づいて「こういう詰め合わせをつくろう」という判断をします。そして、たくさんの株や債券などを組み入れて「投資信託」という商品をつくって提供します。投資信託は略して「投信」、あるいは「ファンド」と呼ばれることもあります。ここでは主に投信と表記します。
投資信託は中身によって、性格が変わる!
ひと口に投資信託といっても、その中身は多岐にわたります。というのも、投信という「詰め合わせ」にはさまざまなモノを入れることができるからです。
たとえば、お弁当といっても、和食の幕の内弁当もあれば、中華やベトナム料理のようなアジアンテイストのものもあります。エスニックで激辛のお弁当もあるでしょう。
投信も同じです。たとえば、トヨタ自動車や楽天といった日本企業の株だけが入った詰め合わせもあれば、アップルやマイクロソフト、ネスレといった海外の先進国の企業の株だけが入った商品もあります。
また、詰め合わせには株式だけではなく、国債(国が発行する債券)や社債(会社が発行する債券)といった債券が入っていたり、不動産(REIT)やコモディティ(商品)などが入っていたりするものもあります。
さらに、株だけ、債券だけというように1種類だけではなく、「株と債券」「株と債券と不動産」というように、いくつかの資産が一緒に入っているものもあるのです。
このように、投信という「器」に何が入っているかは商品によって異なります。個々の商品によって特徴や性格も大きく違うため、その中身をきちんと調べて、理解することがとても大切なのです。