英語は“コアイメージ”をつかむことで、
正確に伝わりだす

 英語上達においてはこの動詞の「コアイメージ」をつかんでいるかどうかが大きな分かれ道になるといえます。

 たとえば give という言葉で考えてみましょう。皆さんの頭に「与える」という意味が浮かんできますよね。もちろん間違ってはいません。

 しかし、それでは「影響を与える」という場合はどうでしょうか。「影響を与える」という日本語から考えると、つい give という動詞を使いたくなります。しかし、 give を用いることはできません。

 なぜなら、 give のコアイメージは「外へ出す」で、〈所有権の移動〉を意味するからです。そのため、こんな使い方になってくるのです。

◆ I gave her some advice about the negotiations. 「交渉にあたって、私は彼女にアドバイスを与えた」
◆ She gave the waiter a big tip. 「彼女はウェイターにチップをはずんだ」
◆ Why don’t you give your coat to the clerk? 「コートを受付に預けたらどうだい?」
◆ Have you ever given blood? 「献血したことある?」

 さて、先の「影響を与える」についてですが、 give を使って表現すると、所有していた影響力というものを学生たちに譲り渡す、といったよくわからない意味になってしまうのです。つまり、「所有権の移動」があったわけではありませんから、 give ではなく have を用いなければなりません。

 Yukichi had a great influence on his students. 「諭吉は学生たちに大きな影響を与えた」