イランが持つ、ある種の率直さは評価すべきだ。米バイデン政権と欧州の同盟国は、2015年のオバマ政権時代の核合意に代わる新しい協定をイランと結ぼうと必死で交渉しているが、イランの政権は新合意に伴うどんな査察にも従わない姿勢を正直に示している。最新の証拠は、29日にエブラヒム・ライシ大統領が珍しく開いた記者会見から出てきた。新たな合意とジョー・バイデン大統領との会談の見通しについてライシ氏は「保障措置問題の解決なしに合意について語ることは無意味だ」と述べた。保障措置問題とは、2000年代初頭にイランが核の公約に違反した疑いを調査する国際原子力機関(IAEA)の試みを意味する。IAEAは、査察官に申告されていなかった3カ所の施設で2019年と2020年に見つかった人工ウランの痕跡を追跡調査しており、4カ所目の調査は中断している。イランは、ウラン自体の行方はおろか、ウランを精製するための機器がどうなったのかについても、まだ明らかにしていない。これは、2015年の「包括的共同行動計画」(核合意)よりずっと前に締結された核不拡散条約に基づくイランの義務に違反しているように思われる。