一方、完全に満足できる転職先はまず見つからないだろうが、どこかで割り切って転職先を決めるべきだ。

 また、「追い出し部屋」要員に指名された段階で、その会社・職場への未練は断ち切らねばならない。自分にとっても相手にとっても、意味のある仕事ができることが大切だ。

企業にとっても社員にとっても
不毛な「追い出し部屋」をなくすために

「追い出し部屋」は使いようによっては、企業にとってコスト削減につながる工夫と言えないこともないが、そのあり様は、企業にとってもリストラされる社員にとっても「不毛」だ。

 このような非人道的かつ経済的にも無駄なやり方をなくすためには、正社員の金銭補償による解雇の条件を、明確に決めるべきではなかろうか。

 正社員の権利を弱めることにつながるが、人材の流動性が増すので、転職先は見つかりやすくなるはずだ。また、前述のように多くの中小企業では、何の補償もなく、社長の一存で「クビ!」がまかり通っているのが現状だから、解雇のルールを明確にすることは、「労働者全体にとって」であるなら、悪い条件変更ではないはずだ。

 条件は、官僚や裁判所に裁量の余地がないシンプルなものがよい。

 たとえば、勤続年数に応じた月数分の現収入を(12ヵ月くらいの上限を設ける方がいいかもしれないが)、退職金とは別に一時金として支払うことで、雇用主は社員を自由に解雇できると決めておく。

 社員の側も一定額の補償が必ず貰えるし、雇用主側もリストラ費用について計画が立ちやすい。

「追い出し部屋」のような社会のムダが生じない仕組みにしたい。