習い事への過度な執着は、子どもの自己肯定感を下げかねない――。特集『わが子が伸びる!子育て百科』の#8では、教育家の小川大介氏が「習い事との付き合い方3カ条」について徹底解説。子どもの才能と個性をつぶしてしまうNGポイントや、子どもが「やめたい」と言った時の対処法を紹介します。
習い事への向き合い方を間違えると
子どもの自己肯定感は下がる
中学受験指導30年、6000組を超える親子の学習と能力開発を手伝ってきた私のもとには、習い事に関する質問がとにかくたくさん届きます。
「先生のおすすめの習い事はなんですか?」
「将来中学受験を考えていますが幼児期にやっておいた方がいい習い事はなんですか?」
「子どもが嫌がるのですがどうすれば通わせられますか?」
「子どもがやりたいと言うものを習わせてあげるうちに数が増えすぎたのですが、どれも辞めたくないと言います。どうしたらいいですか?」
「辞めグセをつけたくないので続けさせたいのですが、子どもが言うことを聞きません」
などなど。
いずれのご相談もお子さんのためを思ってのことではあるのですが「肝心なところが分かっているのかな?」と心配になる質問でもあります。
わが子がどういう子なのか、また、子どものやる気はどのように生まれてくるのかを理解せずに、何を「やらせるか」の視点に立ってしまっているからです。
習い事とは本来、子どもの才能を引き出し、育て、自信を育んでくれるものです。ところが、熱心にわが子をいくつもの習い事に通わせたあげく、かえって子どもの意欲に蓋をし、自己肯定感を下げる結果になっている家庭は珍しいものではありません。その多くは、親子関係も悪化しています。
なぜこんなことが起きるのか。私は「見守る子育て」と「与える子育て」の違いだと考えています。
次ページ以降では小川大介氏が「習い事との付き合い方3カ条」を解説する。習い事の決め方、習い事を「やめたい」と言うわが子をどう見るか……無理なくわが子を伸ばす方法をお届けする。