約30年ぶりのプレミアム市場再参入
上級車「ラージ商品群」でブランド強化
マツダが9月15日から、新型クロスオーバーSUV「MAZDA CX-60(マツダ シーエックス シックスティー)」を日本市場で販売開始した。CX-60は、これまでマツダが発売してきた「スモール商品群」と呼ばれる車種と比較して、プレミアム(高級車)市場に照準を合わせた上級車種である「ラージ商品群」の第1弾車種という位置付けだ。縦置き直列FR(フロントエンジン・リア駆動)プラットフォームに高出力パワートレインという特性を持ち、「脱炭素と事故ゼロ」に向けたマツダ独自の解答として、安全領域・環境領域を高次元で両立させた新商品となる。
マツダのプレミアム市場戦略としては、かつて1980年代末のバブル経済期に販売店の5チャンネル化を進める中で、「広島のベンツ」と呼ばれた上級セダンの「ルーチェ」から、3ナンバー専用プレステージセダンである「センティア」を後継車として展開した例がある。CX-60は、それ以来の「プレミアム市場再参入」といっていいだろう。