高齢者専門の精神科医として、30年以上高齢者医療の現場に携わってきた和田秀樹氏が、新著『70代からの元気力』を発売。同書からの一部抜粋で、70代からの人生を充実させるためのヒントをお教えする。前回に続き、長寿の人に特徴的な食生活について解説していく。
日本の平均寿命は
なぜ欧米を抜いたのか
平均寿命は、肉や牛乳の消費量と大きく関係しています。
前回も説明したように、まず肉のタンパク質は免疫機能を高めます。
肉のコレステロールは免疫細胞の材料になりますし、さまざまなホルモンの材料にもなります。しかも、免疫細胞のリンパ球は脂肪でできています。肉の脂肪を摂取することで、当然、免疫機能が高まることになるわけです。
つまり、肉や牛乳を消費すれば、それだけ抵抗力がつくので病気になりにくくなりますし、病気になっても高い免疫力があるので、自然治癒が可能になります。肉や牛乳を消費すれば、平均寿命が延びていくのは、考えてみれば当然のことなのです。
実際、世界の国の中で、最初に平均寿命が50歳を超えたのは、オーストラリアとニュージーランドだと言われています。オーストラリア、ニュージーランドと言えば、肉食と乳製品の摂取が盛んな国として知られています。