今回は、「メモ術」において、最も大切なものは何か!?についてお伝えします。
レコード会社の社員時代はプロデューサーとして、ミリオンヒットを10回記録するなどトレンドを牽引し、絶調期にニュージーランドに移住。その後、12年かけてリモートワーク術を構築してきた四角大輔氏。彼のベストセラー『自由であり続けるために 20代で捨てるべき50のこと』は、次世代のミニマリストのバイブルにもなった。
この連載では、四角氏の新刊『超ミニマル主義』の中から、「仕事術」「ワークスペース」「働き方」「スケジュールとタスク」「デバイスと情報」「思考と習慣」……etc を「手放し、効率化し、超集中する」ための【全技法】を紹介していきます。
初ミリオンヒットのきっかけは、
メモ習慣「メモ→分類→活用」だった
メモ術において実は最も大切なのは、「宝」が眠っていないか、時折メモを見返す習慣を身につけること。
すぐわかる言葉でタグ付けしたり、明解なカテゴリーに分けることで、「メモ→分類→活用」のフローを確立できる。
30代で出会った、新人アーティストのプランニングをする際、新入社員の頃からずっと付けていた多岐にわたる膨大なメモを、数日かけてすべて見返した。
それらを、そのアーティストのために作ったカテゴリーに振り分けていく。「販促アイデア」「メディア戦略」「ビジュアル案」「ブランディング」etc……といった具合に。
メモとは、「人生のアウトプットを高める最良の習慣」
その作業が終わった時、何年間も書き留めてきたメモの大半を、そのアーティストに活用できることが判明。運命だ――そう震えたことを今でも思いだす。後にそのアーティストは、ぼく初のミリオンヒットを記録することになる。
もしも今、「ヒットメーカーになる上で、一番役に立ったスキルは何か」と問われたら、それは「メモを取り、整理し、活用すること」と答えるだろう。
さらにメモとは、仕事に限らず「人生のアウトプットを高める最良の習慣」だと信じている。
大ヒット作『メモの魔術』(幻冬舎)著者で、「メモの狂気」と呼ばれるほど大量のメモを取る前田裕二氏は、「メモとは生き方そのもの」とまで言っている。
「メモアプリ歴20年」の私がたどりついた「メモアプリ」とは!?
「Remember The Milk」「Evernote」「asana」「Todoist」「Bear」「Notion」等、多くのメモアプリを試してきた。
ぼくがアプリマニアだった頃はつい多機能を求めたが、結局は一番シンプルなApple純正「メモアプリ」に落ち着いた。
アプリは、次の5ポイントさえクリアしていればOKだ。
「①クラウド対応(PC→←スマホ間で高速同期)」「②オフライン使用可」「③フォルダ分け(タグ付け)可能」「④写真・動画を添付できる」「⑤インターフェースがシンプルで動作が速い」。
Appleの中枢部門で働く友人が、こう言ってた。
Apple社員は基本「純正アプリ」しか使わず、「メモ」でメモ管理を、「リマインダー」でタスク管理を、「カレンダー」でスケジュール管理をしていると。超グローバル企業でそれが可能なら、どんな仕事も純正アプリでまかなえるはず。
ぜひ、あなたのApple製品、Microsoft製品、Android製品の純正アプリを見直してみてほしい。「まずは標準装備を使い倒す」というのも『超ミニマル主義』の理念なのである。
『超ミニマル主義』では、「手放し、効率化し、超集中」するための全技法を紹介しています。ぜひチェックしてみてください。
(本原稿は、四角大輔著『超ミニマル主義』から一部抜粋したものです)
執筆家・環境保護アンバサダー
1970年、大阪の外れで生まれ、自然児として育つ。91年、獨協大学英語科入学後、バックパッキング登山とバンライフの虜になる。95年、ひどい赤面症のままソニーミュージック入社。社会性も音楽知識もないダメ営業マンから、異端のプロデューサーになり、削ぎ落とす技法でミリオンヒット10回を記録。2010年、すべてをリセットしてニュージーランドに移住し、湖畔の森でサステナブルな自給自足ライフを営む。年の数ヵ月を移動生活に費やし、65ヵ国を訪れる。19年、約10年ぶりのリセットを敢行。CO2排出を省みて移動生活を中断。会社役員、プロデュース、連載など仕事の大半を手放し、自著の執筆、環境活動に専念する。21年、第一子誕生を受けて、ミニマル仕事術をさらに極め――週3日・午前中だけ働く――育児のための超時短ワークスタイルを実践。著書に、『自由であり続けるために 20代で捨てるべき50のこと』(サンクチュアリ出版)、『人生やらなくていいリスト』(講談社)、『モバイルボヘミアン』(本田直之氏と共著、ライツ社)、『バックパッキング登山入門』(エイ出版社)など。