「手放し、効率化し、超集中」するための全技法とは!?
レコード会社時代はヒットメーカーとして、ミリオンヒットを10回記録するなどトレンドの最先端を疾走。音楽プロデューサーとして絶好調の39歳の時に退社して、ニュージーランドに移住。現地の湖畔で、環境負荷を最小限に抑える自給自足ライフを営む四角大輔氏。彼のベストセラー『自由であり続けるために 20代で捨てるべき50のこと』は、次世代のミニマリストのバイブルにもなった。
この連載では、四角氏のあたらしい著書『超ミニマル主義』の中から、「サイフ」「カバン」「書類」「名刺」「ウェア」「シューズ」「仕事机」「デバイス」「部屋」「情報」「データ」「スケジュール」「タスク」「労働時間」「ストレス」「人付き合い」などを、極限まで「最小・最軽量化」する方法を紹介していきます。

【働き方ミニマリストが教える】<br />「カバンを軽くする」たった1つの方法Photo: Adobe Stock

〔カバンの中身精査〕 5分

 カバンの中身精査の作業は、部屋に上がってすぐ行うのが基本。

「先週の雨予報の時に入れた、折りたたみ傘がまだあった」
「思えばずっと入ってるこの本、今週一度も開いてない」
「この書類は、別に持ち歩く必要ないかもしれない」

 深呼吸しながら集中して、アイテムごとに「いる/いらない」のジャッジをしていく。習慣化すれば5分で終わる。

「明日いらないものは、即カバンから出す」

 軽いカバンを使うだけでなく、毎日その中身を最小化すべく、何が入っているのかを把握しよう。

 取捨選択の基準はシンプルで、「明日いらないものは、即カバンから出す」

 小学生の時は誰もが、時間割に合わせてランドセルの中身を入れ替えていた。

 忘れものをするのはいつも、登校前に慌ててその作業をした日。

 ポイントは「前日にやってしまう」ことだ。

「ベストな装備は、その日ごとに変わる」と覚えておこう。

大切な振り返りのルーティン

 そして、社会人にとっての「持ちモノ確認」は、仕事の「タスク&スケジュール確認」と同じ。

「毎日、サイフとカバンを精査し、中身をちゃんと把握する」
「毎日、抱えている業務を精査し、仕事をちゃんと把握する」

 家に帰り、すべての荷物を視認することで1日を振り返ることができる。「今日何があったか」「うまくいったこと、反省すべきことはないか」。荷物を見ればすぐに思い出せる。

毎日のルーティーンは「一種のメディテーション」

 そして、明日の仕事のスケジュールを確認しながら、それに合わせてベストな装備を整えるのだ。凛とした気持ちで持ちモノを厳選し、少しでも荷を軽くすべく努めよう。

 この毎日の、たった数分という短い時間に、仕事の振り返りや思考の整理ができるから不思議だ。抱えていた問題の思わぬ解決策や、いいアイデアが湧いたりすることもある。

 さらに、自分にとって「何が大切か」に気付けることもある。

 ぼくは、この毎日のルーティンを一種のメディテーションだと捉えている。この神聖な行いを、楽しみながら毎日続けている。

『超ミニマル主義』では、「手放し、効率化し、超集中」するための全技法を紹介しています。ぜひチェックしてみてください。

(本原稿は、四角大輔著『超ミニマル主義』から一部抜粋したものです)

【働き方ミニマリストが教える】<br />「カバンを軽くする」たった1つの方法四角大輔(よすみ・だいすけ)
執筆家・環境保護アンバサダー
1970年、大阪の外れで生まれ、自然児として育つ。91年、獨協大学英語科入学後、バックパッキング登山とバンライフの虜になる。95年、ひどい赤面症のままソニーミュージック入社。社会性も音楽知識もないダメ営業マンから、異端のプロデューサーになり、削ぎ落とす技法でミリオンヒット10回を記録。2010年、すべてをリセットしてニュージーランドに移住し、湖畔の森でサステナブルな自給自足ライフを営む。年の数ヵ月を移動生活に費やし、65ヵ国を訪れる。19年、約10年ぶりのリセットを敢行。CO2排出を省みて移動生活を中断。会社役員、プロデュース、連載など仕事の大半を手放し、自著の執筆、環境活動に専念する。21年、第一子誕生を受けて、ミニマル仕事術をさらに極め――週3日・午前中だけ働く――育児のための超時短ワークスタイルを実践。著書に、『自由であり続けるために 20代で捨てるべき50のこと』(サンクチュアリ出版)、『人生やらなくていいリスト』(講談社)、『モバイルボヘミアン』(本田直之氏と共著、ライツ社)、『バックパッキング登山入門』(エイ出版社)など。