スポーツでもビジネスでも、大きく成長できる人間となかなか成長できない人間に分かれる。いくらトレーニングを積んでも、どれだけ勉強しても成長できないのは、謙虚さが足りないからかもしれない。書籍『ウィニングカルチャー 勝ちぐせのある人と組織のつくり方』(中竹竜二著、ダイヤモンド社)をヒントに、謙虚な心の保ち方を探りたい。(文/フリーライター 鈴木 舞)
成長できる人は
謙虚な心を持っている
アスリートが大きな成功を得たり困難を克服できたりするのは、本人の能力やポテンシャルもさることながら、マインドセットにも理由がある。
「サッカーの世界で飛び抜けた強さを誇るFCバルセロナも、彼らの組織文化である『ハンブル=humble(謙虚な)』姿勢を軸に、常に自分たちの姿を問いかけ、学び、進化しようとしています。(中略)世界で勝ち続ける組織は、世の中で言われているきれいごとを純粋に実践、共有し、問いかけることで進化し続けています」(『ウィニングカルチャー 勝ちぐせのある人と組織のつくり方』より)
二刀流の野球選手として世界を席巻している大谷翔平選手も、数々の大記録を打ちたてている一方でマインドは謙虚そのもの。周囲からの期待やプレッシャーがかかる中、本人は冷静に状況を分析し、次のステップへ進むための努力を続けている。
同じく世界を舞台に活躍するアスリートの1人、ゴルファーの松山英樹選手も謙虚なマインド
が光るアスリートだ。松山選手の優勝インタビューでは、周囲への感謝を表すコメントが多い。
大谷選手と松山選手に共通しているのは、自分に対して冷静な視点を持っており、自己の弱点から目を逸らさないこと。一方で、大きな目標はしっかり見据えていることだろう。